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「無料回収」のはずが数十万!?遺品整理の料金トラブル防衛術

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 7月5日
  • 読了時間: 4分


 遺品整理は、故人との思い出に向き合いながら進める大切な作業です。しかし、その心理的な負担につけ込んだ悪質業者による料金トラブルが存在します。


 「基本料金無料」「高価買取」といった広告を信じて依頼したところ、作業後に数十万円もの高額請求を受けるケースが全国で報告されています。


 今回は、悪質業者の典型的な手口と法的な問題点、トラブルを防ぐ方法を弁護士の視点から解説します。

 消費生活センターには、遺品整理や不用品回収に関する相談が数多く寄せられています。典型的な被害の流れは次のとおりです。

・「基本料金無料」というインターネット広告を見て申し込んだ。

・電話では「数万円程度」と説明された。

・作業後、「特殊廃棄物だから」「階段料金がかかる」などと言われ、40万円を請求された。

・支払いを断ると、「払わないなら荷物を戻す」「処分できない」などと強い口調で迫られた。

 遺品整理は家族を亡くした直後に行うことも多く、「早く終わらせたい」という心理的な焦りが判断力を鈍らせます。悪質業者は、そこを狙っています。

 「基本料金無料」は、搬出作業の人件費など一部にしか適用されません。実際には「廃棄物処分費」「梱包費」「特殊清掃費」などが別建てで加算され、作業完了後に初めて明細が提示されます。「高価買取」も同様で、家電・家具の大半は「価値なし」と判定され、処分費用だけが積み上がる仕組みです。

 さらに「見積もり無料」とうたいながら、当日になって初めて金額を提示するケースも多く、すでに荷物の搬出が始まっているため依頼者は断るに断れない状況に追い込まれます。


 被害を防ぐためには、業者に依頼する前の段階での確認が不可欠です。

(1)廃棄物収集運搬の許可証を確認する家庭から出るゴミ(遺品含む)を回収するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。「産業廃棄物」や「古物商」の許可だけでは回収できません。市区町村のウェブサイトで許可業者か確認しましょう。

(2)書面で見積書を確認する口頭での約束はトラブルの元です。作業前に、追加費用の有無や条件が明記された見積書を書面(またはメールのPDF)で必ず受け取ってください。

(3)複数業者から相見積もりをとる1社だけでは相場が分かりません。少なくとも2〜3社から見積もりをとり、比較しましょう。極端に安い業者は、後から高額な請求をしてくるリスクがあります。

(4)作業当日の立会いを検討する可能であれば、本人や親族が作業に立ち会ってください。第三者の目があるだけで、業者は不正な追加請求をしにくくなります。

(5)資格だけでなく許可や実績も確認する民間資格である「遺品整理士」の資格を持っているだけで、信頼できる業者であるとは限りません。業者を選ぶ際は、資格の有無だけで判断せず、一般廃棄物収集運搬業許可の有無や会社の実績、見積書の内容などもあわせて確認しましょう。


 万が一、作業後に高額な請求を受けたり、脅迫まがいの催促を受けたりした場合は、以下の行動をとってください。


その場ですぐに支払わない

一度支払うと、返金を求めることが難しくなる場合があります。「家族と相談する」などと伝え、その場での支払いは避けましょう。


毅然と退去を求める

居座られた場合は、「お引き取りください」と明確に伝えましょう。応じない場合は、警察への相談も検討してください。


証拠を残す

会話を録音し、請求書や名刺、トラックのナンバーなどを写真で残しておくと、後の交渉で役立ちます。

 「無料」「高価買取」という言葉には、必ずからくりがあると考えてください。①許可証の確認②書面による見積もり③複数社への相見積もり、この3点だけでも被害リスクは大幅に下がります。

 高額請求を受けた場合や業者との交渉に不安を感じた場合は、支払う前に弁護士へご相談ください。

参考Webページ: ・独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル-市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!-」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html

・一般財団法人遺品整理士認定協会「優良企業一覧(登録企業1637社)」 https://www.is-mind.org/companys/



 
 
 

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