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オークションで偽物や中身すり替え!ネット取引のトラブル対処法

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 7月21日
  • 読了時間: 4分


「届いたブランドバッグが偽物だった。」 「高級腕時計を発送したのに、『偽物だった』と言われ、返品された商品は別物だった。」

 ヤフオクやメルカリなどのネットオークション・フリマアプリでは、こうした悪質なトラブルが存在します。被害に遭うのは、高級腕時計やブランドバッグ、高額家電、トレーディングカードなど、真贋の判定が難しく転売価値の高い品物が中心です。「まさか自分が」と思っていた人ほど、気づいたときには深刻な被害を抱えているケースが多いのが現実です。

 最近のトラブルは、詐欺の手口が非常に巧妙です。


・AI偽造の鑑定書

偽物であることを隠すため、AIで作成した精巧な鑑定書や保証書を添付するケースが増えています。一見すると本物と見分けがつきません。


・アカウントのなりすまし

過去の別アカウントから評価を引き継ぎ、信頼できる出品者を装う手口もあります。


・中身すり替え返品

購入者が正規品を手元に残し、偽物やジャンク品を「商品説明と違う」と称して返品する極めて悪質な詐欺です。

 トラブル発生時、多くの人が運営会社に相談しますが、プラットフォームの利用規約には「個人間取引のトラブルに当社は責任を負わない」とあるのが一般的です。運営会社はあくまで「場の提供者」という立場のため、積極的な救済は期待できません。


 もっとも、この状況は変わりつつあります。共同通信(2026年6月20日付)によると、メルカリ、LINEヤフー、楽天グループの3社は、2026年7月から不正取引や不正アカウントの情報を警察庁へ提供するための連携協定を締結する予定です。


 運営会社が警察と本格的に連携する初めての枠組みとして期待される一方、違法性判断の透明性や個人情報の取扱いには課題も指摘されています。


 いずれにしても、被害を申告する際に証拠が重要であることは変わりません。運営会社への報告内容が警察に共有される可能性もあるため、記録を整理しておくことがこれまで以上に大切です。


 被害を法的に訴えるためには証拠が不可欠です。まず以下を確保してください。


・取引ページのスクリーンショットを保存する

商品説明・写真・価格・出品者情報・評価履歴など、関連するページはすべて保存しましょう。プラットフォームは、一定期間が過ぎると取引履歴を削除することがあります。


・相手との取引メッセージを保存する

アプリ内チャット、メール、SNSのDMなど、交渉の経緯をすべてスクリーンショットで残してください。


・届いた商品の開封動画を残す(特に重要)

荷物が届いたら必ずカメラを回した状態で開封しましょう。すでに開封してしまった場合も、気づいた時点でただちに動画・写真で現状を記録してください。


・配送伝票・梱包材を捨てない

送り状や伝票番号、梱包材は配送経路を特定する証拠になります。


・専門家による鑑定を受ける

ブランド品であればメーカーや正規代理店、あるいは専門の鑑定機関を利用しましょう。第三者の鑑定書は交渉・訴訟の場で大きな力を発揮します。


 証拠を集めたうえで交渉しても埒があかない場合は、法的手段を検討します。


 「発信者情報開示請求」を活用すれば、プラットフォームに登録された情報やプロバイダが保有するIPアドレス等をもとに、匿名の相手の実名・住所を特定することが可能です。令和4年(2022年)施行の改正プロバイダ責任制限法による「発信者情報開示命令」により、従来より迅速な手続きが可能になっています。


 相手を特定できれば、損害賠償請求訴訟や刑事告訴・告発につなげることができます。60万円以下の被害であれば少額訴訟も選択肢です。


 これらの手続きを一人で進めるのは容易ではありません。早めに弁護士へ相談し、見通しとすべき手順を確認することをおすすめします。


 トラブルに遭ってから動くのではなく、事前に防ぐための習慣も大切です。


・出品者の評価は「直近のもの」を重点的に確認する。件数が多くても急に悪評が増えているアカウントは要注意です。

・高額品の購入前にシリアルナンバーや付属品を含めた追加写真・動画をリクエストする。

・荷物が届いたら開封前に撮影する習慣をつける。

・「個人間取引はノークレーム・ノーリターンが基本」という思い込みは捨てる。詐欺や虚偽の説明による被害は、個人間の取引でも法的に救済を求めることができます。

 ネットオークションやフリマアプリでの取引は便利な反面、詐欺トラブルと常に隣り合わせです。運営会社への報告だけでは限界があります。取引記録の保存・開封動画・専門家の鑑定を整えたうえで、弁護士に相談することが解決への近道です。「どうせ相手を特定できない」「少額だから泣き寝入りするしかない」とあきらめる前に、ぜひ一度、法律の専門家に状況を話してみてください。


参考Webページ:

・警察庁「オークション詐欺・フリマサイト詐欺対策」https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/auction-fraud.html


・共同通信

「【独自】フリマ3社が警察庁と連携 不正販売一掃へ捜査協力」(2026/6/20)



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