以前のブログでまとめた通り、育休中でも退職はできます。しかし会社に直接伝えることに抵抗を感じたり、煩雑な手続きに不安を感じたりする方もいるでしょう。そのような場合、「退職代行サービス」を利用するというのは一つの手です。
今回は、育休中に退職代行サービスを利用する場合の具体的な流れや懸念点などを解説します。
退職代行サービスは、利用者の代わりに会社に退職を伝えるサービスです。利用者は、退職代行サービスに退職意向を伝え、必要な情報提供を行うことで、退職手続きを代行してもらえます。
退職代行の専門業者も存在しますが、実は対応範囲が限定的です。弁護士に退職代行を依頼した場合には、退職時期や退職金、未払賃金や有給といった範囲まで、利用者に代わり会社と交渉することが可能です。
当事務所の退職代行サービスは、所属の弁護士が対応します。利用者の方が確実かつ円滑に退職できるような対応を心がけております。
育休中に退職代行サービスを利用した場合のメリット・デメリットについて、以下に整理しました。また、育休中の退職に関する注意点があります。
【メリット】
・会社に退職の意思を直接伝える必要がない
利用者本人に代わって会社に退職の意思を伝えてもらうため、利用者が会社と直接やり取りする必要がありません。よって上司や会社からの強引な引きとめの心配もありません。特に「育休をもらっているのに退職するなんて…」という引け目がある場合に、直接やりとりせずに済むというのは心理的に安心感があるかと思います。
・手続きが煩雑でない
退職代行サービスによって退職手続きを代行してもらえるため、利用者は煩雑な退職手続きへの負担を軽減できます。そのため育児や転職活動などに時間を有効活用することができます。
・円満退職しやすい
退職代行サービスによって会社との法的な交渉まで代行してくれるため、利用者自身は円満退職しやすい環境を整えられます。
【デメリット】
・費用がかかる
退職代行サービスを利用するには費用がかかりますが、自分から会社へ退職を申し出るハードルや無事に退職までにかかる時間を考えると安いと感じられるかもしれません。
・会社との関係が悪化する可能性がある
退職代行サービスを利用することで、会社との関係が悪化する可能性があります。今後関わらないのであれば、問題ありません。
【育休中の退職に関する注意点】
育休前や育休中に退職を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
・育休開始時点で、退職予定の場合は育児休業給付は受けられません。そのため、育休に入るときは必ず復職する予定である必要があります。
・育休中に退職する場合、その支給単位以降は支給対象となりませんが、それまでに受給した育児休業給付を返金する必要はありません。
育休中に退職を検討する際は、育児休業給付の期間などと合わせて検討し、退職代行サービス利用時の退職日に設定するのも良いかもしれません。
退職代行サービスを提供する専門業者や弁護士事務所はたくさんあります。実際の利用の前に、以下の点を確認しておきましょう。
・サービス内容
代行してもらえるサービス内容について詳しく確認しておきましょう。相場より安い金額にひかれて依頼してみたら、対応範囲が限定的で有給取得や私物送付の交渉をしてくれなかったという可能性があります。
・費用
どのくらいの費用になるか、支払い方法(前払い・後払い)等を確認しておきましょう。退職代行にかかる相場は2〜5万円のようです。
・実績
どのような実績があるのか、信頼できるサービスなのかを確認しておきましょう。実際に利用者した人の口コミや評価も参考になると思います。
・キャッチコピーに「弁護士」が入っている
ただし「弁護士監修」と「弁護士事務所が対応」は違います。監修は名の通り、サービス立ち上げ時にアドバイスを弁護士が行っている事が多く、実際のサービスには弁護士は関与していないケースが多いです。弁護士事務所が提供する退職代行サービスの方が、安心感があるかもしれません。
以上のように、育休中の退職代行サービス利用にはメリットとデメリットがありますので、利用前にしっかりと確認し慎重に検討することが大切です。退職は人生での大きなターニングポイントになります。新たな環境へ一歩を踏み出すために、労働問題が得意な弁護士にご相談ください。まずはお気軽にご相談ください。
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