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賃貸経営を守る。ペット無断飼育への対処法

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 4月10日
  • 読了時間: 3分

 ペット不可として貸し出した物件で、借主が勝手に動物を飼育していることが発覚した場合、大家さんとしては「すぐにでも退去してほしい」と考えるのが当然です。


 しかし日本の賃貸借契約においては、特約でペット飼育を禁止していても、「飼育していた」という事実のみで直ちに契約を解除することは容易ではありません。裁判では、その違反によって「大家さんと借主の信頼関係が破壊されたか」が厳密に判断されるためです。


 それでは、具体的にどのようなケースであれば契約解除が認められるのでしょうか。2つの裁判例をもとに、法的リスクと対策を解説します。


 契約時に口頭および書面でペット禁止を明確に伝えていたにもかかわらず、入居直後から無断でフェネックギツネを飼育していた事例です。


経過

契約からわずか1ヶ月で発覚。大家さんと管理会社が即座に飼育中止を求めましたが、借主はこれを無視して飼育を継続しました。


判決

判明からさらに1ヶ月後に出された「契約解除の意思表示」が有効と認められました。


ポイント

 「禁止を知りながらあえて飼い始めた点」に加え、「発覚後すぐに是正を求めたのに無視した点」が、信頼関係を破壊する背信行為と重く見なされました。



 契約書に「犬猫等の飼育禁止」と明記されているにもかかわらず、猫を飼い始めた事例です。一度は解決に向かうかに見えたケースでも、解除が認められています。


経過

大家さんが内容証明郵便で「14日以内に中止しなければ解除する」と通告。借主は「飼育を中止する。次に見つけたら即刻退去する」という内容の念書を差し入れましたが、実際にはその後も50日以上にわたり隠れて飼育を続けていました。


判決

念書による約束を反故にした行為は、大家さんとの信頼関係を根底から壊すものとして、解除が認められました。


ポイント

是正のチャンスを与えたにもかかわらず「嘘をついて飼育を継続した事実」が、法的な解除の正当性を決定づけました。


 判例を振り返ると、無断飼育に対して毅然と対処するためには、以下のステップが不可欠です。


(1)「是正勧告」の記録を必ず残す

口頭の注意だけでなく、内容証明郵便など「いつ、どのような要求をしたか」を客観的な証拠として残すことが、裁判において極めて重要になります。


(2)安易に口約束で終わらせない

借主が「すぐに出す」と言ったとしても、必ず書面(念書)を交わしましょう。次の違反時に、より強力な法的根拠となります。


(3)スピード感のある法的アプローチ

無断飼育を判明後に放置してしまうと、後から「黙認(追認)していた」と反論されるリスクが生じます。発覚後、早期に専門家へ相談することが重要です。


 ペットの無断飼育は、建物の損傷や異臭、他の入居者とのトラブルなど、賃貸経営に多大な損害を与えます。一方で、退去の手続きは慎重に進めなければ、逆に大家さんが不利な立場に置かれるリスクも潜んでいます。


 「借主が話し合いに応じない」「是正勧告を無視されている」とお悩みの大家様は、手遅れになる前に、ぜひ当事務所へご相談ください。豊富な判例知識に基づき、あなたの大切な資産と権利を守るための最適な解決策をご提案いたします。





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