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  • 執筆者の写真家頭 恵

債務整理をしても自動車は持っていられるの?

更新日:2023年3月27日

 当事務所で債務整理の相談を受ける際によくあるご質問が、「自動車の保有に関すること」です。債務整理に踏み切れない理由として、現在所有している自動車の処分をしなければならないのではないか、自動車の保有に関して不都合があるのではないか、といった不安のお声をよく耳にします。確かに自動車は他の財産と異なり、移動手段でもあり生活に直結した財産ですので、そうお考えになるのは無理もありません。

 結論としては、ほとんどの場合には「自動車を保持することができる」です。それでは状況ごとに場合分けをして、詳しく見ていきましょう。

 ほぼ100%維持できます。ただし次の3つがあてはまる場合、維持することができません。


 ①自己破産手続きを選択した

 ②自動車の価値が20万円以上ある※1

 ③その価値に見合う代償金※2を準備できない


※1:新車登録から10年を経過した場合には、ほぼ無価値とみなされます。

※2:管財人の査定で「自動車が換価可能」つまり売ってお金にできると判断されると、管財人は車を業者に売却します。ただそれには、売買契約書を交わしたり、名義変更や業者に自動車を引き渡したりするといった多くの手続きが発生します。そのためほとんどの場合には、破産者が親族などから援助を受けて車の査定額分の現金を管財人に支払うことで、業者に売るのではなく破産者(=所有者)の手元に残しておくことが選ばれます。

 それでは自動車ローンが残っている場合、債務整理の種類ごとに検討していきます。


(1)任意整理

 自動車ローンを、ローン支払先対象から外すことで車が残せます。任意整理は裁判所を利用せず債権者と債務者の話し合いだけで行うものです。和解は債権者と債務者の合意により成立するものなので、債務者の方で債権者を特定して任意整理をすることが可能です。


(2)自己破産

 自動車ローンが残っている場合には、自動車を残すことはできないと考えておいた方が良いでしょう。所有権留保が付いている場合※3には、留保所有権者によって自動車が引きあげられてしまいます。

※3:所有権留保とは、売買契約において代金の完済前に売主が買主に目的物を引き渡しつつも、その所有権は代金完済まで売主に留保し、この留保所有権をもって売買代金の担保とするという担保形態のことをいいます。所有権留保が設定されている場合、ローンが残っている状態で弁護士から受任通知を送付すると、ローン会社によって、自動車やバイクは引きあげられるのが通常です。

(3)個人再生

 原則として引きあげをされてしまいます。ただ担保権者と交渉することで、担保権が実行されず引きあげがなされない場合があります(別除権協定※4を結ぶ、といいます)。当事務所では、引きあげをせずに個人再生を行えた実績がありますが、認められるにはいくつかの条件を満たす必要があり必ずできるというものではありません。


※4:別除権協定とは、ローン会社に対して「自動車を売却したときの売値を支払うから、担保権を行使しないでほしい」と交渉し承認を得る協定のことです。

 それでは結局、自己破産や個人再生の場合は原則保有できないのかというと、実はそうではありません。引きあげをされる、と言ってもそのローンの対象の車がなくなるだけで、「車を所有すること」は許されています。

 

 先述のように、自己破産の場合でも「新車登録から10年を経過した自動車は無価値」とみなされますので、20~30万円程度の現金があれば、生活のために車を保有することは許されているのです。


 そのため、自己破産や個人再生の場合でも、いま持っている車の維持はできないにしても、新たに購入することによって車を保有することができます。

 以上をまとめると、債務整理をしたからといって車が保有できないということをありません。今回のような自動車の保有に関することだけでなく、債務整理によってどこまで制限がありどこまでは自由であるか、相談者様のその後の生活にどんな影響があるか等、経験豊富なスタッフが一緒に検討していきますので、まずはお気軽にご相談ください。




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