• 家頭 恵

弁護士に依頼する退職代行サービスとは?

最終更新: 2019年12月2日

 ビジネスパーソンであればご存知かとは思いますが、現在は転職市場が非常に活発です。長年築き上げてきた年功序列が崩れ始め、一つの会社で勤め続ける魅力が失われてきたことやキャリアップ、また、仕事のボーダーレス化などによって、幅広い業界で多様な人材を積極的に雇用していこうとしていることもあり、若手〜中堅だけではなくミドル世代や管理職も含めて転職をする人が増えてきています。  ただ、一方で転職したくてもなかなか出来ない人も増えています。優秀な人材であればあるほど会社としては手放したくない気持ちが強くなります。会社側の説得で思いとどまるのであれば問題はありませんが、全く話を聞いてくれない、退職手続きを進めさせてくれないなどの対応によって、辞めさせてくれないというケースが多いことも事実です。  本稿ではそんな転職時代に一歩踏み出そうとしている方の力になりたく、退職代行についてお話させて頂ければと思います。退職代行という業務について、弁護士に依頼するメリットについてお伝え致します。

 退職代行とは、第三者が退職の手続をすべて本人に代わって行うことです。具体的には、退職届の提出、健康保険証や会社備品の返却、離職票の申請などの手続をすべて代行します。退職する本人は、何もする必要はありません。有給休暇の申請、退職金の申請なども行えます。  広く退職代行と言われていますが、方式としては「代理」「代行(事務連絡のみを行う)」という2種類があります。

 代行の場合、会社側と交渉はできず、事実を伝達するだけの手続きです。

 代理の場合、退職の意思を伝えることは同じですが、その後の会社側の対応によっては、会社側と話し合いを持ち、退職まですべての手続きを会社側と協議することができます。会社側の言い分で間違っているものがあれば、その点を指摘・修正することができますし、依頼者の方にアドバイスをすることもできます。

 本来、退職は一方的意思表示で行うことができます。しかし、実際は本人が辞めたいと思っていても、会社が辞めさせてくれないという事例はよく聞きます。責任感から退職をためらうケースもあるでしょう。そういった場合、弁護士に依頼すれば退職までの手続はすべて代理できます。  仕事の引き継ぎなどについては、法的な義務ではありません。むしろ、仕事の引き継ぎをしなければ退職できないほど1人の従業員が仕事を担っていること自体、契約上問題であるというのが法律的な立場です。  こういった気持ちの面のサポートはもちろん、退職するに際して面倒なこともすべて代理してくれるという点が大きいメリットです。  また、弁護士に依頼した場合には、事務代行ではなく代理になります。 上記のとおり、事務代行の場合との違いは、事務連絡などについてあくまで伝達するだけではないことです。

 代行の場合、会社から「このように言ってくれ」などと言われたことはすべて伝えなければならいという問題もあるし、直接連絡されることを制止するのもできません。この点は、弁護士に依頼するメリットと言えるでしょう。

 依頼者の方は、転職して新しい勤務先で働き始めましたが、当初説明されていた業務と大幅に異なる仕事でした。内勤だと聞いていたのに、実際は外回りの仕事が多数あることが判明したのです。そのため、即時に退職を決意しましたが、転職に際して「長く働く」という約束があったことから、退職するのに躊躇していました。

弁護士に依頼したことで、手紙を送付しただけで特段何のトラブルもなく退職できました。会社から、全く連絡はなかったとのことです。


 依頼者の方は、度重なるパワハラを受けていたことから退職を考えていました。ある日突然出社できなくなり、会社に退職を申し出たところ、「退社は認めない、解雇する」と言われてしまいました。そのため弁護士に相談し、退職の申し出、解雇は不当であるとの主張をし、無事解雇を撤回させ、会社都合で退職することができました。

この方は、残業代の大きな未払いが存在したため、あわせて労働審判の申し立てを行いました。このように、退職代行を相談する中で、別の労働問題が発覚、請求が可能になる場合があります。

 すでに何度も述べていますが、退職する際に本来会社の合意は必要ありません。

なのに、こういった退職代行がはやるというのは不思議です。これは、会社側としても「雇ってあげている」という意識のためでしょう。突然の退職に対して「恩知らず」と感じるのが日本社会の風潮なのでしょう。

 ただ、そのように言われて困っている方に対して、当事務所が約束できるのは、100%確実に退職させることができる、という1点です。会社に恩があるかもしれません。しかし、本来会社からしても辞めたい、やる気が無い人をわざわざ引き留めるメリットなど無いのです。退職について悩む、あるいは会社とのやりとりがつらいのであれば、1日でも早く辞めて、新しい一歩を踏み出しましょう。



76回の閲覧

(c)2010-2020 弁護士法人やがしら 船橋リバティ法律事務所 All Rights Reserved.
代表弁護士 家頭 恵