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住宅ローンが払えない…家を失う前に

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 3 日前
  • 読了時間: 4分


 物価高や収入減、変動金利の上昇などを背景に、住宅ローンの返済に行き詰まる方が増えています。


 「払えなくなったら家を取られる」と諦めがちですが、それは誤解です。滞納から競売までには時間があり、その間に取れる対策は複数あります。大切なのは「早めに状況を把握し、適切な対応をとること」です。

 住宅ローンを滞納すると、一般的に次のような流れで手続きが進みます。


・滞納開始~2~3か月:金融機関からの督促

電話や書面で督促を受けます。この段階であれば、返済条件の変更や一時的な返済猶予(リスケジュール)について相談できる可能性があります。


・滞納3~6か月:期限の利益の喪失

ローンを分割で返済する権利(期限の利益)を失い、残債の一括返済を求められます。


・その後:代位弁済から競売へ

保証会社が金融機関に残債を立て替え(代位弁済)、裁判所へ競売を申し立てます。滞納開始から競売による退去までは、目安として1〜2年程度かかります。ただし、金融機関や保証会社の対応などによって前後します。

 手遅れになり競売にかけられると、次のようなデメリットが生じます。


・市場価格より安い金額で売却されることが多い

・売却後もローンが残る可能性がある

・裁判所の調査員が自宅を訪問する

・近隣に事情を知られる可能性がある

・引越し時期を柔軟に調整しにくい


 競売は法的手続きのため、所有者の意思は介入できません。だからこそ、競売になる前に対処することが極めて重要です。


 競売を回避し、生活を立て直すための主な方法は以下の3つです。

(1)金融機関へのリスケジュール(条件変更) 滞納前や初期段階に、金融機関へ「一定期間の利息のみ支払い」や「返済期間の延長」を交渉し、毎月の負担を減らします。

(2)競売を避ける「任意売却」 すでに一括返済を求められている場合の選択肢です。金融機関の同意を得て、一般の不動産市場で家を売却します。競売より高く売れるため残債を減らせるほか、周囲に知られず引越し時期の調整もしやすいメリットがあります。

(3)債務整理(個人再生・自己破産) 住宅ローン以外の借金がある場合などに有効な、法律に基づく解決方法です。 ・個人再生(住宅ローン特則) 住宅ローンに関しては返済を継続しながら、その他の借金を大幅に減額する制度です。要件を満たせば、自宅を手放さずに債務を整理できる可能性があります。裁判所を通じた手続きであり、弁護士への依頼が実務上必要となります。 ・自己破産 すべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。原則として不動産を含む一定以上の財産は処分されますが、新たな生活の再建を法的に支援する制度でもあります。


 以下のような状況になったら、早めに弁護士への相談を検討してください。

・住宅ローンの支払いを1回でも滞納した、またはしそうな状況にある

・金融機関や保証会社から督促状や期限の利益喪失通知が届いた

・「このまま続けると半年以内に払えなくなる」と感じている

・住宅ローン以外にも多重債務がある


 弁護士は、現在の状況を整理したうえで、任意売却・個人再生・自己破産などの選択肢のメリットと注意点を具体的に説明し、依頼者の状況に合った対応策を一緒に検討することができます。


 弁護士費用が心配な方は、法テラス(日本司法支援センター)の審査を通じて費用の立替制度(審査あり)を利用できる場合があります。

 住宅ローンの返済に行き詰まることは、決して珍しいことではありません。最も避けたいのは、「もう手遅れだ」と諦めて放置してしまうことです。滞納する前であっても、相談は早ければ早いほど選択肢が多く残されています。


 弁護士は、家計や借金総額を総合的に分析し、ご自宅を守れるか、あるいはどう再出発を図るべきか、最適な解決策をご提案します。「誰に相談していいか分からない」とひとりで悩まず、まずは弁護士などの専門家へお気軽にご相談ください。


参考Webページ: 法テラス(日本司法支援センター)「無料法律相談・弁護士等費用の立替」https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/



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