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  • 執筆者の写真家頭 恵

生活にあった債務整理の選び方とは?


 債務整理とは、借金の減額等を目的として利息制限法等を使って債務者の経済生活を立て直していく手続きのことです。借金の返済のために借金を重ねてしまう状態を多重債務といいますが、借金返済に無理がある状況であるならば、早急に債務整理を行う必要があります。弁護士に依頼して債務整理をする場合には、主に3種類の方法があります。今回は具体的にどれを選べばいいのかわからない、という方に向けて解説します。

借金が少なく月々分割で支払うことができる人が対象です。


【任意整理しか選べない場合】

例えば、相続した持ち家があるなどの、財産が借金を上回っている場合です。


【任意整理が向いている場合】

・自動車ローンが残っているが自家用車の所有は維持したい。

・任意のクレジットカードの利用を継続したい(整理対象の債権者を選びたい)。

・収入に比較して借金が少ない。

・親族や会社から借入れがあり、なるべく知られたくない。

・借入に保証人がいるものがあり、保証人に知られたくない。


【任意整理が困難な場合】

・そもそも収入がない。

・5年間分割払いでの完済が困難であると判断できる。

借金が多い場合に取る手続きです。


【自己破産しか選べない場合】

・収入がない。

・収入があっても生活保護を受けている。

【自己破産が向いている場合】

・借入額が300万円を超えている。

・財産がない。※1

・免責不許可の事由※2が存在しない。

・親族や勤務先などの個人からの借入れがなく、クレジットカード会社や貸金業者からの借入れだけである。

・配偶者や子供等を扶養する義務があり、返済金の捻出が困難である。


※1:自己破産をしても、現金預金の合計で99万円は持っていることができます。なお、自動車、保険、家財道具等は維持できます。

※2:例えば借金の原因が全額投資であるとか、財産を隠しているような場合等、例外的に、自己破産手続きを行っても借金の返済義務が免除されない場合について、法律上定められているもののことです(破産法252条1項各号)。

自己破産と任意整理の中間くらいの手続きです。


【個人再生するべき場合】

・任意整理は選べないが住宅ローンを払い続けて自宅に住み続けたい。

【個人再生が向いている場合】

・自己破産はしたくないが、任意整理では返済が困難である。

・自己破産に不安がある。

・自己破産手続では免責されないような、重大な免責不許可事由がある。

・借入額が300万円を超えている。


【個人再生が困難な場合】

・定期的収入がない。

・借入額が150万円以下である。


 以上を紹介しましたが、全てに共通するのは「途中で手続きを変更できる」ということです。もし借入額が200万から500万円あたりの場合、その方の状況に応じて手続きを判断していくことになります。以下の事例も参考にしてください。



Case.1 Aさん・25歳男性(家族構成:独身)


借入額:350万円

月収:  30万円


推奨する手続き:自己破産>個人再生の順で推奨。ただし実家暮らしで生活費が恒常的にかからない等の場合は、任意整理も検討できます。


Case.2 Bさん・40歳女性(家族構成:夫婦共働き・子供2人)


借入額:150万円

世帯月収:45万円(Bさん20万円・配偶者25万円)


推奨する手続き:借入額が少なく収入もあるので任意整理を推奨。ただ、子供の学費や配偶者の借金等、支出が多く月々の支払を捻出できない場合には自己破産も選択肢に入る。


Case.3 Cさん・50歳男性(家族構成:専業主婦の妻・子供1人)


借入額 400万円(別途、住宅ローン:残り20年分あり)

月収   30万円


推奨する手続き:住宅ローンがあるため個人再生の選択を推奨。ただ住宅の価値が高くて借金額を上回るなら任意整理、住宅ローンの支払いが困難なら自己破産という選択も考えられる。もし任意整理をしたいのであれば、配偶者に働いて収入を得てもらうという手段もある。

 これまで債務整理の各特徴と事例を見てきましたが、依頼者様の置かれている状況やその後の生活の希望によって選択はさまざまです。当事務所ではこの分野で経験豊富なスタッフが相談者様と一緒に検討していきますので、まずはお気軽にご相談ください。





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