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相続発生!まずは何する?弁護士が教える最初の100日

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 1 日前
  • 読了時間: 5分


 大切なご家族が亡くなられ葬儀が終わると、ようやく一息つけた気持ちになるかもしれません。しかしその直後から、多くの方が「何をすればいいのかわからない」という不安に直面します。 相続手続きは、期限を過ぎると取れる選択肢が限られてしまう、タイムリミット付きのプロセスです。代表的なものは次のとおりです。

(1)死亡届の提出(7日以内)

(2)相続放棄・限定承認(3か月以内)

(3)準確定申告(4か月以内)

(4)相続税申告・納付(10か月以内)


 これらは、うっかり忘れた、では済まない法的期限です。「10か月あるなら余裕では?」と思うかもしれませんが、実際には、財産調査や親族間の話し合いに想像以上の時間がかかります。特に不動産が絡むケースや、疎遠な相続人がいるケースでは、半年以上動きが止まることも珍しくありません。


 今回は、混乱しがちな相続手続きの全体像を100日という区切りで整理し、特にトラブルの火種になりやすい「遺産分割協議」を円滑に進めるためのステップを解説します。何を、いつまでに、どの順番でやるか。冷静に動くための地図としてご活用ください。

最初の7日間(初期手続と葬儀)

 感情的に最もつらい時期ですが、法的な手続きもこの週から始まります。

  • 死亡届の提出(7日以内):医師から死亡診断書を受け取り、役所に提出します。

  • 葬儀・埋葬の執り行い:葬儀費用に関する領収書は、必ず保管しておきましょう。相続税の申告において、葬儀費用は相続財産から差し引くことができます(債務控除)。


1ヶ月以内:財産の全体像の把握と相続人の徹底調査

 何があるかを知らずに協議を始めるのは最大の失敗です。焦らず棚卸しを進めましょう。

  • 遺言書の有無を確認:自宅金庫や、公証役場、法務局(遺言書保管制度)に遺言書がないかを確認します。

  • 相続人全員の確認:亡くなった方の出生から死亡までの「戸籍謄本」をすべて集め、法律上の相続人が誰かを確定させます。

  • 遺産の調査:預貯金通帳の記帳、不動産の登記簿、株式や借金(マイナスの財産)の有無を調べ、一覧表を作ります。


3ヶ月以内:相続放棄の決断【絶対厳守の期限】

 「親の財産なんてたいしてないだろう」と油断して手続きを怠り、後から多額の負債が発覚するケースは珍しくありません。


 借金や連帯保証など、マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合、相続放棄または限定承認を選ぶことができます。この申請ができるのは、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に限られます。この期限を過ぎると、自動的にすべての財産と負債を引き継ぐ「単純承認」となります。


 もしプラスの財産とマイナスの財産とを比較し、ご自身での判断が難しい場合、期限前に弁護士へ相談しましょう。


【推奨】100日以内:遺産分割協議のスタート

 相続人全員で、誰がどの財産をどれだけ引き継ぐかを話し合う「遺産分割協議」を開始します。特に最初の100日までに「相続人」「財産」「方針」の整理ができるかどうかで、その後の明暗をわけると言っても過言ではありません。

 4ヶ月以内:準確定申告

 故人に給与所得・不動産所得・事業所得などがあった場合には、亡くなった方に代わって相続人が所得税申告を行う必要があります(相続人全員の連署が必要)。これを「準確定申告」といいます。


10ヶ月以内:遺産分割協議と相続税申告

 相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える遺産がある場合、申告・納税が必要です。相続人間で協議が揉めていても、税務上の期限は待ってくれません。


 トラブルになりやすい遺産分割協議ですが、以下のフローに沿って進めることで、無用な衝突を避け、円滑に合意へと導くことができます。


(1)相続人を確定する(戸籍収集)(2)遺産を目録化(一覧表に)する

(3)法律上の基準(法定相続分)を確認する

(4)遺産分割の協議・合意・文書化(遺産分割協議書の作成)

(5)各種名義変更・銀行口座の解約手続き


 ただし以下の項目に1つでも当てはまる場合には、早期に専門家へのご相談をおすすめします。

<人間関係>

  • 兄弟・相続人の仲が悪い、または疎遠

  • 前婚の子・認知した子など、複雑な家族構成

  • 介護をした相続人が「多くもらうべき」と主張している

  • 相続人の一部と連絡が取れない


<財産・負債>

  • 財産の全体像がわからない

  • 不動産がある(特に複数、または農地・山林)

  • 借金や連帯保証の存在が疑われる

  • 生前に特定の相続人へ多額の贈与が疑われる

  • 事業(会社・個人事業)の承継が絡む


<遺言・手続き>

  • 特定の相続人だけが主導している

  • 遺言書の内容に納得できない相続人がいる

  • 遺言書が手書き(自筆証書遺言)で形式に不安がある

  • 相続放棄の検討が必要な状況

  • 期限まで残り1ヶ月を切っている


 相続は突然始まります。そして、多くの人にとって人生で何度も経験するものではありません。相続トラブルの多くは、早めに専門家に相談していれば防げたケースです。弁護士への相談は、揉めてからではなく、揉める前が理想です。

 もし「親族間で話し合いができそうにない」「財産のわけ方で揉めそうだ」と感じたら、どうぞ一人で抱え込まずに専門家へご相談ください。


 期限を守ることは、後悔しないための最低限の自衛策です。「忙しくて」「まだ気持ちの整理が」と先送りにした結果、選択肢が消えてしまったという方も見てきました。第三者が間に入ることで、長引くトラブルを回避し、結果的に家族の絆を守ることにも繋がります。まずはお気軽に、ご相談ください。




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