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退去費用のボッタクリを防ぐ!自分を守る3つの鉄則

  • 執筆者の写真: 家頭 恵
    家頭 恵
  • 3月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月21日


 新生活への期待が高まる季節が近づいていますが、退去時の原状回復費用をめぐるトラブルは後を絶ちません。今回は、弁護士の立場から特によくある3つのトラブル事例を挙げ、法的な対抗策について解説します。


 退去時、タバコのヤニ汚れや不注意による傷を理由に「壁紙全面の張り替え費用」を請求されるケースです。ここで重要なのは、減価償却と施工単位の考え方です。


6年で価値は1円

壁紙の耐用年数は税務上6年とされています。6年以上住んだ場合、借主が負担すべき残存価値は理論上「1円」となります。


通常損耗は大家負担

日焼けや冷蔵庫裏の黒ずみ(電気ヤケ)は通常損耗であり、大家側の負担です。


部分補修が原則

傷をつけたのが壁の一面だけなら、部屋全体の張り替え費用を負担する必要はありません。


 本来、ふだん通り掃除をしていればクリーニング代を払う必要はありません。しかし、契約書に「退去時の清掃代は借主が負担する」という特約が書かれているケースがほとんどです。ただし、大家さんの言い値がすべて通るわけではありません。以下のポイントを必ず確認しましょう。


金額はハッキリ書かれているか?

「一律3万円(税別)」のように、具体的な金額が契約書に明記されている必要があります。「汚れ具合に応じて請求」といったあやふやな書き方で、後から高額請求された場合は、支払いを拒否できる可能性があります。


「二重払い」になっていないか?

すでにクリーニング費用を払っているのに、別項目で「エアコン洗浄」「浴室カビ取り」などが上乗せされていないかチェックしてください。それらは本来、クリーニング費用に含まれるべきものです。


相場を大きく超えていないか?

ワンルームなら3〜5万円程度が目安です。相場とかけ離れた高額な請求は、消費者契約法によって無効にできる場合があります。


 家具を落とした際の凹みや、結露を放置して発生したカビなどは借主の過失とみなされやすい項目です。しかし、請求額が適正でないケースが目立ちます。


全面貼り替えは不要

フローリングの場合、傷がついた「1枚(1平方メートル)単位」での補修費用負担で済むのが一般的です。


経過年数の考慮

フローリング(木材)自体は建物と同等の耐用年数(22年〜47年等)とされますが、ワックス剥げなどは経年劣化として考慮されるべきです。


 (1)立ち会い辞退の意思表示と理由を明確にする

 まずは管理会社へ、立ち会い辞退の連絡を入れます。「引越当日は遠方への移動が重なるため、立ち会いなしでの解約手続きをお願いしたく存じます。」等と、やむを得ない事情を添えるとスムーズです。また「退去時の室内写真はすべて撮影済みですので、後ほど、精算書と照らし合わせて確認させていただきます。」と一言添えておくと、相手への牽制になります。補足賃貸借契約書には「立ち会い必須」と明記されている場合もありますが、法律上、立ち会いは義務ではありません。相手の承諾を得るのが、トラブル回避のコツです。


(2)証拠を完璧に残し、入居時の状況を提示する

 立ち会わない最大のデメリットは、知らない傷を自分のせいにされるリスクです。これを防ぐには「退去直後の写真」が最強の武器になります。部屋全体、水回り、床や壁の傷、設備の状態をくまなく撮影しましょう。


(3)ガイドラインを盾に、書面でのやり取りに徹する

 立ち会いのない場合、後日、原状回復費用について解約精算書が届きます。サインの前に、以下について確認しましょう。


  1. 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿っているか?

    「経年劣化」や「通常の使用による損耗」の補修費用は、貸主側の負担が原則です(例:壁紙の日焼け、家具の設置跡など)。


  2. 納得のいかない項目はないか?

    請求額に疑問があれば、支払の前に、メールや書面で「ガイドラインの考え方に基づき、この項目の算出根拠を教えてください」と問い合わせましょう。


 退去費用は、決して管理会社の言い値で決まるものではありません。正当なルールを知ることで、本来払う必要のない数十万円を守ることができます。


 「請求額が相場より高い気がする」「説明が威圧的で怖い」といった不安がある場合は、早めに専門家へご相談ください。法的な根拠に基づいた内容証明郵便を送るだけで、請求額が大幅に減額されるケースも少なくありません。


参考:

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)




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